コラム

座敷わらしってどんな妖怪?家にいると起こることや呼ぶ方法

「妖怪」と聞くと恐ろしいものを想像してしまいますよね。
しかし、中には人間にとって良い影響を及ぼす妖怪もいます。
「座敷わらし」もそんな妖怪の1つです。

日本人にとってはなじみ深い座敷わらしですが、具体的にはどんな妖怪なのかご存じでしょうか。
彼女(彼?)はどんな見た目で、どんな性質を持っているのでしょう。
また、家に招く方法はあるのでしょうか?

この記事では、座敷わらしについて詳しく解説していきます。

座敷わらしとは

座敷わらしとは、主に東北地方の岩手県にいるとされる妖怪です。
古い家を好むとされ、座敷や蔵に出現します。
民俗学者である柳田国男によって紹介され、有名となりました。

座敷わらしの姿は、家によって、見る人によって変わると言われています。
主なものを以下にまとめてみました。

○12、3歳位の男の子
○双子の女の子
○6歳前後の赤い顔をした子供

伝承の中には15歳くらいの座敷わらしがいたと言われています。
とはいえ、ほとんどの場合は幼い子供の姿を取るようです。
服装は振袖や縞の着物、ちゃんちゃんこなど昔風。
薄暗い座敷に見知らぬ着物の子供がいたら、座敷わらしなのかもしれません。

座敷わらしが家にいるとどうなるの?

座敷わらしは、住み着いた家に繁栄をもたらす妖怪だとされています。

こう考えると、妖怪よりも「福の神」に近い存在と言えそうですね。

『遠野物語』の中に、座敷わらしが居ついた家の話が載っています。
その家は岩手県の土淵村(現・土淵町)の今淵氏宅。
その家では「座敷わらしが紙をガサガサしたり、鼻を鳴らす音をさせたりといったいたずらをするものの、思うように栄えた」そうです。

また、座敷わらしに縁があることで有名な旅館・菅原別館(詳細は後に解説します)には、このような話が残っています。

「菅原別館の大女将の実家は、代々、東北各地で旅館を営んでいた。そして、代々火の神とされる座敷わらしを祀る家柄でもあった。座敷わらしは火難を知らせたり、防いだりする力があるとされる。大女将の実家は、村中が全焼するような火災の中でも被害を受けなかった。」

火災による被害を防ぐとは、座敷わらしの凄さが分かりますよね。

座敷わらしは会うだけでも効果があるようで、出世や妊娠など喜ばしいことに恵まれたという体験談は少なくありません。

住む家に強い福を招く座敷わらしですが、上記の話で分かる通りいたずら好きです。
寝ているお客の上に乗ったり、もみ殻の上に足跡を残したり……。
びっくりするかもしれませんが、子供らしくかわいい一面をあるのです。

反面、座敷わらしが家から出て行ってしまった場合、家運が傾くとも言われています。その代表的な逸話がこちら。

「山口孫左衛門の家には座敷わらしがいた。
ある日、村の人が見慣れない二人の少女に出会い、どこからきてどこに行くのかと尋ねた。
少女たちは、孫左衛門の家から来て、別の家に向かうと言う。
その後、孫左衛門の家は食中毒で皆亡くなってしまった」

孫左衛門がどのような人物だったのかは分かりませんが、座敷わらしとご縁があったなら大切にしましょう。

わたあめ

ちなみに、彼女たち(彼)は赤飯・小豆飯が好物とされています。

座敷わらしに会うにはどうすれば良いの?

福を招く妖怪・座敷わらし。
できるなら会ってみたいですよね。

座敷わらしに会う方法としては、東北地方にいくつかある「座敷わらしがいる宿」に泊まる方法が考えられます。
以下に、有名かつ信頼性の高い宿を3つ挙げていきます。

○座敷わらしの宿 緑風荘
○タガマヤ村
○出世の宿 菅原別館

順番に見ていきましょう。

座敷わらしの宿 緑風荘

「座敷わらしの宿 緑風荘」は、岩手県二戸市にある温泉旅館です。

座敷わらしが多く目撃されており、部屋数が少ないこともあり、長い間予約を取ることができませんでした。

しかし、2009年の火災により緑風荘は全焼してしまいます。
2016年には営業を再開し、「座敷わらしゆかりの宿」として人気を集めています。

緑風荘で座敷わらしがいるのは「槐(えんじゅ)の間」とのこと。

営業再開後もオーブが写っていることから、座敷わらしに会える可能性がありそうです。

タガマヤ村

「タガマヤ村」は山形県中山町にある、「村」そのものを貸し切りにした宿泊施設です。

村を貸すと言うだけあり、宿泊できるのは1日1組限定。そのため、予約は取りにくくなっています。

タガマヤ村で借りれる古民家の中は、座敷わらしのために宿泊者が持ってきた人形などでいっぱい。
どれだけの人が座敷わらしに会いに来たのかが分かります。

座敷わらしが起こしたとされる不思議な現象を体験した人が大勢います。
少し怖いかもしれませんが、チェレンジしてみる価値はありそうですね。

出世の宿 菅原別館

「出世の宿 菅原別館」は、岩手県盛岡市にある旅館です。

著名人が多く訪れていることで知られ、特に本田宗一郎が有名です。

菅原別館には、「出世の間」と呼ばれる客間の24番があります。

しかし、この部屋に泊まれずとも大丈夫。この宿では、他の部屋でも座敷わらしの気配を感じることができるそうです。

「〇〇の部屋に泊まらなくてはいけない」という縛りがないため、座敷わらしに会える可能性が高そうですよね。

座敷わらしを家に呼ぶための方法

温泉旅館などで座敷わらしに会うのも良いのですが、できるなら、自分の家に来て欲しいものですよね。

「座敷わらしを家に呼ぶ」とされる方法はいろいろな種類があります。
しかし、信じて良いのかどうか分からないものばかり。
そこで、以下に信憑性の高い2つの方法をご紹介していきます。

○早池峰神社の「ざしきわらし祈願祭」
○タガマヤ村の「御霊分け」

早池峰神社の「ざしきわらし祈願祭」

早池峰神社(はやちねじんじゃ)は岩手県花巻市にある小さな神社です。
創建は807年とされ、長い歴史を持つ由緒正しい神社です。

早池峰神社は座敷わらしの住む神社として知られています。
そして毎年4月29日に、「ざしきわらし祈願祭」が執り行われます。
これは、座敷わらしに見立てた人形に、神様としての座敷わらしの魂を込める神事です。

神様の魂が込められた人形は希望者に配られます。
無事人形を受け取った人は毎年、早池峰神社に参拝し、新しい魂を込めてもらいます。

歴史ある神事として、かなり信頼性の高いこの方法。

難点は、毎年配られる人形の数がかなり少ないことと(10体程度)、数年先まで予約で埋まっているということ。

ゆったり待てる人におすすめの方法です。

タガマヤ村の「御霊分け」

先にご紹介した宿泊施設のタガマヤ村でも、座敷わらしの御霊分けをしてくれています。

人形に限らず、任意のもの(ブレスレットなども可)に御霊を込めてもらうことが可能です。

いつも身近に座敷わらしのパワーを感じたい、という人におすすめです。

この方法の難点は、料金が嵩んでしまうということ。
お宿の座敷わらしのパワーを分けてもらうのですから、仕方のないことかもしれません。

これ以外の方法として、座敷わらしに縁のある場所を訪れ、自分自身で御霊分けをする方法が挙げられます(原理としては、タガマヤ村の場合と同じです)。

この方法を取る場合、座敷わらしのパワーがしっかり感じられる場所で行うようにしましょう。
まずは、場所の下調べが第一です。

まとめ

座敷わらしの見た目や年齢、会う方法などをご紹介してきました。
座敷わらしは福を招く妖怪。
ぜひとも身近に来て欲しいものです。

上記で座敷わらしを招くためのいろいろな方法を解説してきました。
そこで1つお知らせです。

わたあめ

実は私が運営するHPでも、座敷わらしの魂が宿ったお守りを販売しています。

ぜひ、この機会にご覧くださいませ。
また興味がありましたら、お手に取っていただけると幸いです。

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